新築一戸建ての購入や建築を検討するうえで、空き巣などの防犯対策について事前に知っておきたい方も多いでしょう。
警察庁によると、窃盗犯が建物への侵入をあきらめるまでの時間は次の通りです。
・2分以内:17.1%
・2分以上〜5分以内:51%
・5分以上〜10分以内:22.9%
・10分以上:8.6%
「2分以内」と「2分以上〜5分以内」をあわせて68.1%と、約7割を占めています。
つまり、5分間建物に侵入させずになんとか防げば、約7割の窃盗犯はあきらめて去っていくのです。
住宅に侵入する窃盗犯は、次の場所から住宅に侵入しています。
・窓(縁側・ベランダ):25.4%
・窓(居室):21.4%
・窓(その他):10.0%
・表出入口:38.7%
・その他の出入口:4.5%
合わせると、窓からの侵入が56.8%、出入口からが43.2%となり、出入口よりも窓からの侵入が多いのがポイントです。
・一戸建てに「ガラス破り」「無締り」で侵入
警視庁によると、一戸建て住宅への空き巣の侵入方法は次の通りです。
・ガラス破り(ガラスを割る):53.3%
・無締り(鍵がかかっていない場所から侵入):33.5%
・施錠開け(錠前などをこじ開ける):5.9%
・ドア錠破り(ドアの隙間を工具で破壊):3.2%
・その他:4.1%
空き巣は犯行の前にターゲットとなる家を調査し、調べた情報をマーキングしていきます。
マーキングして残す情報は、どのような人物が住んでいるか、年代や性別、一人暮らしかそうでないかなど、家に侵入する際に役立ちそうな情報です。
・マーキングの例
次はマーキングに使われる暗号の例ですが、これ以外にも同様の情報をちがう記号などを使ってマーキングするケースもあります。
男性:M または X
女性:W または Y
一人暮らし:S
家族など複数人:F または D(同棲の意味)
留守:R または ル
30や40などの数字:住人の推定年代
高齢者:ロ(ろ)
土日が仕事休み:SS など
マーキングは訪問販売のセールスマンが営業のために行うこともあり、空き巣はそちらも目安にします。
交渉成立:◎
話は聞いてもらえた:○
断られる:× など
・マーキングされやすい場所
マーキングは、次のような場所に残されています。
・玄関ドアの上または下
・玄関ドア近くの壁
・郵便受けの下側
・表札
・水道・ガスなどのメーター付近 など
マーキングされるのは玄関付近の場所が多く、マーキング以外にも、シールを貼られるケースもあります。
怪しい記号やシールは、見つけたらすぐに消したりはがしたりしましょう。
まとめると、空き巣の特徴は次のようになります。
このような空き巣の特徴を踏まえて、新築一戸建てへの空き巣の侵入を防ぐために、自分でもできる防犯対策を考えてみましょう。
空き巣は一戸建てに「無締り」で侵入したり、マーキングをしたりする特徴があるため、「鍵は必ずかける」「マーキングを見つけたら即消す」といった基本的な対策を怠らないのがポイントです。
また、SNSなどで旅行などの留守にする予定を発信していては、自らネット上にマーキングしているのも同様ですので、その点も気をつけましょう。
窃盗犯は窓から侵入してきます。
特に1階の窓は侵入しやすいため、新築一戸建てを建てる予定なら、シャッターつき雨戸の設置を検討するとよいでしょう。
空き巣は一戸建てに「ガラス破り」で侵入してくるため、窓ガラス対策がポイントとなります。
防犯ガラスがベストですが、費用がかかると感じる方には防犯フィルムをおすすめします。
空き巣は5分以内に侵入したいため、ガラス全体を派手に割ることはしません。
窓の錠周辺のガラスを割るため、その部分に防犯フィルムを貼るのがポイントです。
おすすめなのは、強度があって、侵入された場合の保険がついている防犯フィルムです。
また、窓の錠は防犯よりも締め金具の役割が強いため、防犯用の補助錠や防犯ブザーを設置したほうがよいでしょう。
窃盗犯は玄関からも入ってくるため、新築一戸建てを建てる予定なら、カメラつきインターホンやワンドアツーロック(1つのドアに2つの鍵)の設置を検討しましょう。
空き巣は家の情報をうかがうために、インターホンを利用します。
このとき、カメラがついていれば空き巣が自分の顔を見られたくないので敬遠する可能性が高いです。
また、ワンドアツーロックや、カードキー・暗証番号式といった電子錠の設置は、新築一戸建てを建てるうえで有効に活用できる防犯方法です。
新築一戸建てを建てる際には、空き巣が侵入しないよう外回りにも配慮が可能です。
たとえば、空き巣の侵入経路である窓や玄関が人目につきやすいように(空き巣が敬遠するように)、塀を低く設置するなどが考えられます。
また、夜は窓や玄関を人感センサー付きライトが照らすようにしたり、侵入すると音が出るよう砂利を敷いたりするのもポイントです。
防犯カメラをつけるなど、新築一戸建ての防犯をより強化したいなら、ホームセキュリティに依頼する方法もおすすめです。
警備会社のホームセキュリティは、自宅にセンサーなどの機器を設置し、空き巣などの窃盗犯や火災などの発生時に、警備員が現場にかけつけてくれるサービスです。
ホームセキュリティの費用は、機器本体や設置費用を含む初期費用と、契約中の月額費用がかかるのが一般的です。
一戸建てなのかマンションなのか、機器本体をレンタルするのか買い取るのかなどによって費用は異なるので、それぞれの会社に確認しましょう。
契約を検討するときは、金額だけでなく複数の会社のプラン内容を比較することで、ご自身にあった内容が見つかりやすくなります。
新築一戸建ての防犯対策では、まず空き巣の特徴を押さえ、その特徴に応じた防犯対策を考えるのがポイントです。
空き巣は窓からガラスを割って侵入し、5分以内に侵入できなければあきらめることが多いため、新築一戸建てではシャッターつき雨戸の設置などを考えてみてもよいでしょう。
防犯フィルムや補助錠など、自分でできることはいくつもありますが、本格的な防犯対策を行いたいなら、プロのホームセキュリティへの依頼も検討してみましょう。