群馬県南部に位置し、群馬県の主要都市に囲まれている伊勢崎市は、幹線道路などの道路網がしっかり整備されているので、県内だけでなく首都圏へのアクセスも便利なことから、商業施設や医療機関も充実しています。
平坦な土地が広がり比較的気候もよく、緑あふれる公園が多いので、自然を感じながらのびのびと生活できる環境も魅力です。
また、広大な土地を利用した住宅地の開発も進んでいるため、一戸建て購入を検討している方に人気のエリアです。
伊勢崎市は古くから養蚕が盛んで、織物の街として発展していき、明治から昭和にかけて全国で流行した絹織物「伊勢崎銘仙」の産地として有名になった伝統の街でもあり、今もさまざまなイベントで市をあげてPRしています。
伊勢崎市は水はけのよい土地柄で、蚕を飼うための桑の栽培に適していたため、古くから養蚕業が盛んな街で、その蚕からとれる絹糸を使った「伊勢崎銘仙」を生産する、「織物のまち」として発展していきました。
銘仙とは、先染めした糸を使って、たて糸とよこ糸を交互に交差させて織る「平織り」で織られた絹織物のことですが、加賀友禅や京友禅と違う特徴は、「先染めした糸を使う」ところにあります。
友禅は、織った布に後から柄を染めて絵や模様を描いていくのですが、銘仙はあらかじめ染めた糸を織って柄を作りだしていくのです。
銘仙の産地は伊勢崎以外にもあり、ほかの産地は織機生産していたのですが、伊勢崎では昔ながらの伝統的な手織りで生産していました。
織物を手織りするには高度な技術が必要で、複雑な柄と独特な風合いがあり、伊勢崎でしか織れない自慢の伝統工芸品として、全国にその名前が広まっていきます。
色と柄が豊富でおしゃれな縞模様や手作りの風合いがあり、また丈夫なことから縞模様が庶民の間で人気が高まり、特に明治以降、大正・昭和時代の女性の普段着として全国的に流行しました。
伊勢崎市では、毎年3月の第1土曜日を「いせさき銘仙の日」としています。
洋装が主になっていき、着物への需要は減っていますが、伝統ある自慢の織物の良さを広く知ってもらうために、さまざまなイベントを開いてPRしています。
「いせさき銘仙の日」記念イベントでは、銘仙ファッションショーや、展示・販売も行い、銘仙の魅力を存分に味わえる企画が盛りだくさんです。
伊勢崎市の伝統建築物・いせさき明治館では、定期的に伊勢崎銘仙の企画展を開いており、市観光物産協会の職員の案内のもと、展示品の説明を受けながら見学できるおすすめのスポットです。
いせさき明治館は、伊勢崎藩の藩医をしていた今村家が明治45年に建造した、2階建て洋風医院建築物です。
黒羽根内科医院が新館を建てることになり、医院としての役割を終えた黒羽根内科医院は、黒羽根氏の意向により平成14年に伊勢崎市に寄贈され、伊勢崎市の重要文化財に指定されました。
伊勢崎市は、この伝統ある自慢の建築物を新たな街の拠点とすべく、伊勢崎の街中心に移転することを決定しました。
下に丸太を何十本も敷き、建物を移動させながら丸太を次々にかませて進める方法で、距離にして100mほどを丸2日かけて移動し、現在の本町通りへと動かしました。
そして、市民への公募によって「いせさき明治館」と名付けられ、伊勢崎市の魅力を伝える場として生まれ変わったのです。
いせさき明治館は和洋折衷な造りが魅力で、まるで明治時代にタイムスリップしたような、レトロな雰囲気の建物です。
いせさき明治館でまず目を引くのは、正面中央に構えた玄関ポーチをはじめ、柱頭飾りや唐草様の持ち送り、燭台風の木彫りなど、手の込んだ装飾が施されたモダンな外観です。
また、外壁は箱目地になっており、1・2階中間部の飾り小壁など、洋風建築としての様式が各所に見られ、民間の医院建築としては質の高いものです。
さらに、伊勢崎銘仙を見学できる施設として、相川考古館を紹介します。
相川考古館は、江戸時代に伊勢崎町の町役人をしていた相川氏の屋敷を利用した博物館で、江戸時代の建造物としてだけでなく考古資料も見学でき、見応えがある自慢の施設です。
また見学だけでなく、茶室の利用や体験学習に参加したり、伊勢崎銘仙の着付けができるなど、歴史を肌で感じられる伊勢崎市自慢の博物館です。
相川考古館では、創始者が収集した自慢の文化財・美術品などの考古資料を常に展示しており、伊勢崎市周辺から出土した考古資料は、多くの来館者を楽しませています。
・縄文時代…土偶・土器・耳飾り
・古墳時代…埴輪・剣・人骨など
・奈良時代…瓦・骨壺
・鎌倉・室町時代…鏡など
・江戸時代…相川家関係資料
・明治時代以降…伊勢崎銘仙と資料
このように、相川考古館には約1万点のコレクションが展示されており、中でも埴輪4体は国の重要文化財に指定されている貴重なもので、伊勢崎市の歴史を感じられる自慢の趣深い場所です。
個人でそれだけ多くの歴史的コレクションをした相川家に驚きですが、一般に開放しているため誰でも見学でき、歴史に触れられる貴重な場所ですので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
相川考古館にある江戸時代の茶室で、群馬県の指定重要文化財に指定された二階建ての木造建築物です。
1861年に、お茶をたしなむ当時の当主の隠居部屋として建てられたもので、群馬県内にある最古の茶室であり、造営史料として貴重な古文書も残っている文化遺産です。
この「觴華庵」では、茶道教室を開催しての一般利用や、来館者の希望があれば抹茶を出すなど、開かれた文化財を目指しています。
相川考古館では、歴史民俗資料館として、体験学習を行っています。
下記のような興味深い体験ができるので紹介します。
・火打ち金などの昔の道具を使った火おこし
・石臼や石皿で粉ひき
・たらいや洗濯板を使った洗濯
・伊勢崎銘仙の着付け
・コースターを織る機織り
また、過去には、「昔の道具体験でお団子を作ろう」と企画し、すり鉢・石臼で粉を作り、釜戸でお団子をふかす体験学習をイベントとして行うなど、歴史に触れる体験ができるおもしろい博物館です。
大人も子供も楽しめる歴史博物館なので、親子で参加するのもおすすめですよ。
伊勢崎市は、自然豊かで落ち着いた雰囲気で暮らせる街です。
また、市をあげて未来に残そうとPRしている自慢の伝統工芸品や、歴史ある建造物が残っており、市が自慢できるものを大切に守ろうとする姿勢も魅力的ですよね。
家族で参加できる様々なイベントが開催されていて、歴史に触れられる楽しさも魅力です。