一般的な建売住宅を購入する際には、入居後にさまざまなオプション工事が必要になる場合があります。
建売住宅に引っ越す前にぜひともおさえておきたいオーソドックスなオプション工事について、施工後の注意点を含めて詳しく見ていきましょう。
建売住宅でおすすめのオプション工事としては、洗濯機の防水パン設置が挙げられます。
防水パンとは洗濯機本体の下に敷く土台のようなパーツで、近隣住宅への騒音が特に気になる建売住宅では欠かせないもののひとつです。
建売住宅で洗濯機の防水パンを選ぶ際には、サイズのミスマッチに注意する必要があります。
当然のことながら、防水パンより大きいサイズの洗濯機を置くことはできません。
かといって「大は小を兼ねる」とばかりにサイズが大きすぎる防水パンを選ぶと洗濯機本体が振動によってぐらついてしまうため、かえってトラブルのリスクが高まってしまいます。
防水パンは、必ず外寸のサイズを基準に選ぶようにしましょう。
新築の建売住宅の場合は、防水パンのサイズが合わなかった場合を計算に入れて何種類かの防水パンをセットで購入しておくと安心です。
一般的な建売住宅で発生する洗濯機のトラブルは、単なる水漏れだけではありません。
家庭用洗濯機の排水管トラブルとして異臭や騒音が起こることもありますが、これらのトラブルの原因として多いのは排水管のつまりです。
排水管のどこかで詰まりが発生すると、その詰まりによってブロックされた水圧が他の部分にもかかり、排水管全体に余分な負荷がかかります。
また、つまりの発生位置によっては異音が出る場合もあります。
防水パンのついた洗濯機でもこまめなクリーニングを行い、トラブルを未然に防ぎましょう。
もし洗濯機の排水管に異常を発見した場合は、できるだけ早く専門家に連絡してください。
従来、洗濯機は一般家庭で毎日使用されていましたが、最近では、ライフスタイルの多様化に伴い、洗濯機の使用頻度が徐々に変化しています。
特に、自宅以外の場所でコインランドリーを使用できる環境にいる場合、家庭用洗濯機を使用することはほとんどありません。
洗濯機がめったに使用されない場合、防水パンは劣化しないと考えるかもしれませんが、それは正しくはありません。
使用頻度が低い洗濯機であっても、定期的に防水パンをメンテナンスし、状態をチェックしておく必要があります。
確かに、使用頻度が低いほど劣化の進行が遅くなりますが、これは防水パンの劣化がまったく進行しないという意味ではありません。
仮に週末だけ洗濯機を使用する暮らしであっても、防水パンにはその都度強い負荷がかかり、蓄積された負荷が限界を超えた場合は交換が必要になります。
蓄積された負担は最終的に防水パンを破損させ、騒音や水漏れなどの問題を引き起こします。
一人暮らしで洗濯機をあまり使わない世帯などでも、知らないうちに水漏れなどの問題が発生する恐れがあります。
少なくとも半年に一度は大規模なメンテナンスを実施し、異常がないか注意深く確認してください。
建売住宅の購入で見落としがちなのがエアコンの穴あけ設置です。
建売住宅ではエアコンの穴あけもオプション工事に含まれており、入居者側が別途施工業者に依頼する必要があります。
建売住宅のエアコン穴あけをオプション工事として依頼する際の注意点としては、まず、設置場所を具体的に想定する、ということが挙げられます。
エアコン本体の設置工事はもちろん、室外機の設置工事もセットになります。
穴あけをオプション工事として依頼する際は、あらかじめ設置場所をしっかりシミュレーションしておく必要があります。
エアコンの室外機のオーソドックスな設置場所としては、玄関脇の壁面などがあります。
エアコンの室外機は見た目以上にデリケートですので、屋外であっても湿気や急激な温度変化をさけ、衝撃を受けにくい位置に設置することが基本となります。
エアコンの穴あけをオプション工事として依頼する場合、依頼先として工務店とハウスメーカーの2つの選択肢があります。
一見すると同じようですが、工務店とハウスメーカーでは営業形態や事業規模などの面で違いがあります。
工務店の最大の特徴は地域密着です。
多くの工務店は広告宣伝費をあまりかけず、地道な営業によって依頼を確保しています。
店舗あたりの人数が少ないため、契約からアフターケアまでをひとりの担当者がおこなうことが多く、依頼主にとっては安心感があります。
一方のハウスメーカーは地域密着型の工務店と比べて事業規模がはるかに大きく、全国的な営業を基本としています。
建材や部品の大半が自社工場で大量生産されるため、納期を短縮できるのが大きなメリットです。
ただ、広告宣伝費が建物の価格に上乗せされるため、工務店に依頼した場合と比べると総コストが高くなってしまう点に注意が必要です。
実際の工事を地域の施工業者にまかせる点では、両者に違いはありません。
一貫したサポートによる安心感がほしいなら工務店、総コストをおさえたいならハウスメーカーに軍配があがるでしょうか。
また、エアコンの穴あけ工事では施工の過程で大量の粉塵が飛び散るので、建売住宅では入居後ではなく、購入から入居前までのタイミングで依頼するようにしましょう。
コンセントを設置できるかどうかを決定する条件には、物理的条件と電気容量が含まれます。
物理的条件とは建物の構造を意味し、一般的な建売住宅では通常、各部屋に2個~3個のコンセントがつけられるような設計になっています。
一般的な建売住宅のコンセントの場合、角度を微調整する必要はありませんが、電気容量には注意が必要です。
電気容量そのもののチェックについては、契約時のアンペアを確認すれば充分です。
しかし、入居後頻繁にブレーカーが落ちるなどのトラブルがある場合は、タコ足配線がないかどうかなどを施工業者にチェックしてもらう必要があります。
一般的な建売住宅で起こりやすいコンセントトラブルは火災です。
コンセントには基本的に常時電気が通っており、使用状態によっては就寝中などに発火し、取り返しのつかない重大事故を引き起こす可能性があります。
建売住宅以外の集合住宅やオフィスなどにも共通することですが、コンセント火災の主な原因となるのがいわゆるタコ足配線です。
タコ足配線を多用すると電気系統が複雑になり、容量オーバーによる発火や火災が起きやすくなってしまいます。
建売住宅でコンセントを増設する際にはかならず電気容量を把握し、タコ足配線のような無理な配線は絶対にやめましょう。
今回は、建売住宅で利用することが多いおすすめのオプション工事の内容および注意点について解説しました。
建売住宅ではエリアによってエアコン、洗濯機、コンセントなどさまざまなオプション工事が必要になりますが、工事にあたって注意すべきポイントはそれぞれ異なります。
建売住宅でオプション工事を依頼する際には必ず施工業者の信頼度や事前に確認すべき項目をチェックし、トラブルのリスクを最小限におさえましょう。