日本で、外国人が多い国際都市といえば、東京や大阪、神奈川や愛知といった大都市です。
大都市以外で、外国人が多いのが、群馬県です。
群馬県は、大泉町・昭和町・太田市・伊勢崎市と、外国人人口の比率が高くなっており、隠れた国際都市ともいわれています。
この記事では、最近とくに外国人比率が高くなっている、群馬県伊勢崎市にスポットを当てて、紹介します。
伊勢崎市に外国人が多い理由を探っていきましょう!
群馬県は、外国人が多いことで有名です。
太田市、伊勢崎市と、外国人の比率が増加しており、国際化が進んでいます。
まず、太田市に外国人が多い理由からみていきましょう。
太田市には、海外で人気の車メーカー、「スバル」の車部品を製造する「富士重工業」の工場があります。
1940年代には、戦闘機の製造をはじめた場所です。
スバルの自動車部品工場の仕事に就くために、海外からたくさんの外国人が日本にやってきています。
太田市にやってくる外国人の多くは、難民申請者や借金のある技能実習生たちです。
太田市の外国人の国籍の数は、なんと63ヶ国にものぼります。
特別ビザを所持する日系ブラジル人やペルー人が多く、続いて難民ビザで日本に入国するネパール・スリランカ・インド・バングラデシュなどの南アジア人の割合が多いようです。
ほかにも、中国やフィリピン出身の人や、アフリカからやってくる労働者もいます。
世界中のさまざまな国から、職を求める外国人たちが、群馬県の太田市に集まっているのです。
太田市に隣接する伊勢崎市も、外国人の比率が高くなっています。
仕事のために日本に集まってくる外国人労働者には、イスラム圏出身の人々がたくさんいます。
日本では、イスラム教の文化はあまり知られていないのが事実ですが、伊勢崎市には、イスラム教の寺院である、モスクがあります。
伊勢崎モスクは、母国から遠く離れた、伊勢崎市や近隣の太田市に住む、イスラム教徒たちの心の支えとなっているのです。
群馬県内だけではなく、栃木や埼玉からやってくるイスラム教徒もたくさんいます。
伊勢崎モスクの周辺には、イスラム教徒が安心して口にすることができる「ハラールフード」のお店や飲食店もあり、国際都市の色が濃くなっています。
ここが伊勢崎市であることを忘れてしまうほど、たくさんの外国人が集まり、祈りを捧げているのです。
伊勢崎モスクがあることで、伊勢崎市に住む外国人労働者の比率が増えているといえますね。
太田市や伊勢崎市の外国人労働者は、日系ブラジル人がたくさんいます。
ブラジルをはじめ南米は、カトリック教徒が多いです。
伊勢崎市の教会の中には、ポルトガル語やスペイン語、韓国語やベトナム語でミサを行う教会もあり、世界中のカトリック教徒が礼拝できるようになっています。
伊勢崎市は、国際化がすすんだ街であるといえますね!
東京や大阪などの大都市ではない、群馬県・伊勢崎市に外国人が多いのはなぜでしょうか?
関東地方は、日本有数の工業地帯です。
東京湾沿岸の京浜工業地帯、京葉工業地域があり、群馬・栃木・茨城の内陸部には、北関東工業地域があります。
群馬県の中でも、外国人比率の高い町である、大泉町には、家電・食品・自動車部品など、100を超える数の工場があるのです。
都心部から離れた北関東は、広い土地と安い地価により、東京都心への輸送費も安く抑えられることから、たくさんの工場が建設されました。
群馬県内の工場の数が増え、工業が発展するにつれて、労働者不足が浮き彫りになります。
工場の企業は、資金を出し合って、海外に居住する日系人労働者を集めるために組織を作りました。
ブラジルに採用担当者を派遣したり、現地で求人広告を出したりと、求人活動を行い、群馬での働き手を集めたのです。
仕事を求めて群馬県にやってくる外国人たちが住みやすいようにと、さまざまな試みを実施します。
スーパーに外国人向けの商品を陳列したり、企業側は、家具や家財道具を一部負担したりと、外国人たちに群馬県に移り住んでもらうために努力したのです。
また、行政は、ポルトガル語の通訳を配置したり、ポルトガル語のさまざまなパンフレットを作ったりして、外国人をサポートしています。
外国人に日本語を教える講習会を開き、逆に日本人がポルトガル語を学べる教室も開催し、地元の人々と外国人が理解しあえるように、いろんな取り組みを試みています。
言語だけではなく、外国の料理やダンスが楽しめる国際交流イベントも行われており、日本人も外国人も住みやすい町を実現させたのです。
日本政府が、人口減少による、労働者不足を解消するために、外国人労働者の受け入れを本格的にはじめたため、群馬県の太田市や伊勢崎市だけではなく、全国的にも、外国人の比率は増加していくでしょう。
外国人が安心して日本で働けるようにするためには、さまざまな課題があります。
日本政府は、人口減少による労働者不足を解消するため、2019年4月に、「改正出入国管理・難民認定法」を施行しました。
そして、「特定技能1号」と「特定技能機能2号」という、新しい在留資格を新設したのです。
この改正法では、これまでは認めなかった、単純労働分野においても、外国人労働者を正式に受け入れることが可能になりました。
そのため、仕事を求めて、世界中から外国人が日本にやってくるようになったのです。
日本の若者がやりたがらない仕事の人手不足を解消するために、外国人労働者の受け入れをはじめたため、多くの外国人労働者は、労働条件が厳しい仕事や業務が多いのが現実です。
ハードな仕事で、賃金も安く、ほかの国よりも労働条件が悪ければ、外国人労働者を確保することは難しくなるでしょう。
また残念ながら、日本では、外国人労働者に対する差別や偏見がある人が多いのも実状です。
外国人に対しての、いじめやパワハラも、問題となっています。
パスポートを取り上げたり、恋愛や結婚を禁止したりなどの、深刻な人権侵害も発生しています。
日本に働きにくる実習生の多くは、入国前に借金を抱えています。
悪質なブローカーに必要以上の費用を搾取されていることも多いのです。
ブローカーに10万円〜100万円ほどの費用がかかるともいわれています。
このブローカーへの借金を返済するため、外国人労働者は、長時間労働や賃金の未払いなどがあっても、無理して働き続けるのです。
悪質なブローカーは、外国にも日本国内にも存在するため、これらを規制する対策をしっかりと行うことも重要です。
外国人労働者からの申請は多いが、書類の不備などにより、認定までに時間がかかってしまうケースも多々あるようです。
また、外国人労働者を雇用する場合、企業側は経済的な負担がかかり、手続きなどにも労力が必要となります。
企業の手続きをより簡素化し、行政が経済的なサポートを援助することで、もっと外国人労働者の受け入れ体制がスムーズになるでしょう。
日本でも、外国人労働者の受け入れが開始され、外国人の比率が高くなってきました。
とくに伊勢崎市には、外国人が多く、大都会に負けないくらいの国際都市に成長しています。
今後も外国人は増加し、ますます国際色豊かな町へと発展を続けるでしょう!