婚姻届を提出していない内縁の妻・夫は、どれだけの年数連れ添った場合でも法定相続人にはなりません。
そのため、事実婚であるパートナーの相続を検討するのであれば、2人で相談したうえで遺言書を作成しておくと、親族間でのトラブルが防げるでしょう。
この記事では、事実婚における内縁の夫・妻に帯する不動産相続についてご紹介します。
事実婚における不動産の相続!内縁の妻が夫名義の家に住んでいたら
たとえば内縁の妻が、夫名義の家(不動産)で暮らしていて、亡くなってしまったケースではどのような相続になるのでしょうか?
このような場合、2人の間の子どもの有無が、相続において重要なポイントになります。
<2人の間に子どもがいるケース>
婚姻届を出していなくても、2人の間に子どもがいるのであれば、その子どもが法定相続人となり不動産が相続されます。
ただし、その子どもが法的に婚姻関係にない男女の間に生まれた子であるため、父親が子どもを認知していなければならず、認知していなければ実子でも相続権がありません。
また、夫側が戸籍上結婚したままで妻がいる場合、前妻も共同相続人となるため、前妻に相続をしない意志があるなら、この旨を遺言書に記しておきましょう。
<2人の間に子どもがいないケース>
2人の間に子どもがいないケースでは、たとえ名義が夫または妻であっても、被相続人の親・兄弟または姉妹が相続人となります。
不動産だけではなく、あらゆる財産においてこの規定であるため、「パートナーが亡くなったあとなにも相続できなかった…」といったことがないように、遺言書を作成しなければなりません。
子どもがいない事実婚である場合は、特に遺言書が重要となるでしょう。
事実婚の場合の不動産相続のポイント!世帯変更届の提出・遺言書の作成
事実婚において重要なのは、一緒に過ごしている年数だけではなく、世帯変更届や公正証書などの書類を役場に提出して、事実婚である状態を表明しておくことです。
こうすれば、実質的に夫婦・婚姻関係であることが認められて、年金や社会保険への加入、遺族年金が受け取れるようになります。
しかし相続権はなく、内縁の妻・夫名義の不動産も相続できないため、このような時には遺言書が重要な役割を果たすことになります。
まとめ
ご紹介したように、夫婦が事実婚である場合の不動産相続は、子どもの有無が相続の重要なポイントとなります。
子どもがおらず、内縁の妻・夫に相続をしたい時は、遺言書でその旨を記しておくことが重要です。
また、事実婚で婚姻関係と認められるためには、世帯変更届・公的証書を提出して、できるだけ控除が受けられるようにしておくことも大切ですね。